明日晴れたら♪
私には、好きな人がいる。
彼は明るくて、クラスでも人気がある人だった。
彼は、晴れの日が大好きだった。
何か頼まれると、
「今日は晴れてるからいいぞ!」
といって引き受けるほどだった。
そんな彼が。
私は大好きだった。
何故と言われても、すぐに答えることは出来ない。
好きになるって、小さなことの積み重ねなんだと思う。
でも、間違いなく。
私は彼が好きだった。
明日が、私の誕生日に当たる日。
クラスの女友達は、みんな覚えていてくれた。
私はそれが、すっごく嬉しかった。
うちの両親は仲が悪い。
あれでよく結婚したなぁ、って思うぐらい。
うちの両親は、自分のことで手一杯だ。
だから、当然私の誕生日なんて覚えてない。
だから、友達からの
「明日誕生日だねっ」
という言葉は、本当に嬉しかった。
でも。
私は、彼に祝福してもらいたかった。
今日じゃなくて、明日。
明日、彼に祝福してもらいたかった。
だから、勇気をだして彼に言った。
「明日、私の誕生日なんだ」
って。
今思えば、変な女だよね。
でも、彼に、どうしても彼に祝って欲しかった。
彼はこう言った。
いつもどおり、その言葉を。
「へぇ。じゃあ明日晴れたら、プレゼントやるよ!」
次の日。
その日は雨だった。
俺は、雨音を聞いて愕然とした。
そんなばかな。
昨日の天気予報では、降水確率5%なのに・・・
彼女に、プレゼントが渡せない。
友達の目の前で、言っちゃったからな・・・
俺は晴れが好きだ。
それはみんな知ってる。
きっと、あの娘も知っている。
いや。
雨だからって、渡せないわけじゃない。
冗談だってことにして、渡せばいいじゃないか。
その日、あの娘は学校を休んでた。
祝う準備をしていた彼女の友人達が片づけをしていた。
俺の、せいだ。
なんとかしなきゃ、なんとか・・・・・
・・・・・うん。
私は、部屋のカーテンを閉めた。
外の天気なんて、見たくなかった。
両親はいつも家に居ない。
だから、私が自分で学校に電話した。
なんで、雨なんか降るんだろう・・・・
涙が、こみ上げてきた。
些細な事だと、他の人は笑うだろう。
でも、私にとっては。
これが、世界の全てだったんだ。
夜。
チャイムは突然鳴り響いた。
私は、無視することにした。
鍵は開けてある。
泥棒がチャイムを押すわけないし、きっと両親だ。
だが、チャイムはいつまでもなり続けた。
私は、ふとんに潜り込んで無視し続けた。
チャイムがやんだ。
ほっとしたのもつかの間・・・・・
ガバッ
いきなり、私のふとんがめくられた。
私はとてもびっくりした。
そこに居たのは、彼、だった。
チャイム押しても反応無かったからな。
彼はそういった。
そして続けた。
プレゼント、持ってきたんだ。
嬉しかったけど、私はついこう言っちゃった。
「今日、雨だよ」
涙が、またこみ上げてきた。
私は、彼の目の前で、泣いてしまった。
彼はそんな私の背中を押して、窓際まで押していった。
見とけよ。
カーテンを、開く。
雨はいつしか、止んでいた。
満天の星空が、そこにあった。
三日月が、空に映えていた。
ほら見ろ。
雨はお前の顔だけさ。
彼はそう言うと、ポケットから紙切れを取り出した。
もう涙が止まらない私に押し付け、こう言った。
ほら、誕生日プレゼント。
最近人気の海のチケットだ。
一緒にいこうぜ!!
明日、晴れたら。
時雨様のHPに投稿させていただき、秋桜様に差し上げた作品。
浜崎あゆみのJuly 1stを聞いて、思い立ったという意欲作(?)なんですよ〜。
実に自分らしくない作品だぁ・・・(^^;
壁紙も、内容に合わせて明るいのに変更っ♪
う〜む、歌とは人を変えますね〜(笑
読んで、少しほんわかとしてもらえれば幸いかな。
以上っ!
作者:バール
注:この作品の著作権はバールにあります。多分。
よって、転載許可はバールに申請し、許可が出た場合のみ転載可とします。
まぁ、拒否なんてめったにありませんのでご安心を。
え?いらない?そうですか。
なお、秋桜さんのみ、改行、スペースの追加程度の加工・掲載を許可します。
どの場合でも、必ず作者がバールであることを見やすい位置に明記し、
このHPへのリンクを貼って下さい。
上記のことが守られない場合、掲載許可を取り消します。
追記
この小説、というか長い詩?の感想を、バールは心待ちにしています。
ぜひ、掲示板に書き込んでやってください。
褒めてあげれば、きっと付け上がってまた書き出しますよ?
違う小説を書いて欲しい、という依頼もOKです。
っていうか、依頼待ってますので♪
小説をもっと読みたければ、リンク先の明日香進様のHPや、
時雨様のHPにいけば、もっと良作が読めます♪
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